史上最安値を更新したトルコリラは円相場では支えられていた15円台を割り込む展開になり、対ドルでも2018/8月のトルコショック時に付けた7.200を超える暴落となりました。少し前から最安値の更新は間近なのではないかと言っていましたが、流石に下落の勢いがここまで強いと(もしかするとトルコリラ円は10円台に突入!?)と思い始めて来ました。トルコ当局によるトルコリラの売買規制報道で一旦下落は落ち着きましたが、コロナショックによる新興国からの資金流出はいつまで継続するのか状況の見極めが今後の生き残りをかけた戦いの勝敗を決めそうですね。
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GW中にやる事リストを作ったのにも関わらず、ほとんどボーっと過ごしてしまったトル猫です(;^ω^)私のやる気スイッチはどこにあるんだろう・・・やらないといけない事は多いのにやる気が出ない。ダラダラと過ごす日常が普通になってしまっています。今週から気を引き締めなければ。
前回の記事はこちらです
ドルトルコリラが最安値を更新しそうだと書いていますが、現実のものとなってしまいました。外貨準備での通貨防衛も限界に近づいているようで、これからどれだけ下落が進むのか予想しにくい状況になっています。未知の領域に踏み込んでいる状態ですので乱高下に注意したいですね。ポジション状況などは後半で確認していきます。
トルコリラ成長記録67
2020/5月6日~5月12日
トルコリラの流動性に警戒が必要
トルコリラが史上最安値を更新していくタイミングでトルコ当局はメガバンクに対して取引の禁止を発表しました。トルコリラの売買規制が行われた事で一旦売りの圧力が弱まりましたが、この状況には警戒が必要です。
トルコは以前にも同じような事をして通貨防衛を試みましたが、失敗に終わっています。それが2018年のトルコショックの時です。当時もトルコリラの取引規制や売りの制限などが行われましたが、最終的には大規模な政策金利の引き上げで下落が落ち着く事になりました。段階的な措置なのか今回もその動きと良く似ています。同じ結果を辿るとすればこの後、あと一段階下落が予想出来ますね。
トルコ当局が行った今回の措置は市場の流動性が大きな問題になってきます。今回の簡単な流れを説明すると
信用不安からトルコリラは売られ通貨価値を落としていた→一部のトルコ国民もその不安がありドルやユーロなど信用がある通貨に変換される→すると更にトルコリラの下落は進む→下落を阻止したいトルコ当局は通貨取引に規制をかける→トルコリラを売りポジションで持っていた大口投資家などは規制により売りポジションを取引しにくくなるため一旦ポジションを解消→一時的にトルコリラの下落が止まる。
チャートを見てみると流れが分かりますね。規制報道があった時に一気に売りポジションが解消されたのがわかります。
これで一件落着となれば良いのですが、この取引規制には副作用が存在します。
それがトルコリラ相場の流動性の低下です。
この流動性が低下すると安定されたレートの提供が困難となり、スプレッドの拡大や
相場が不安定になり乱高下相場になったりします。記憶に新しいのが2019年の8月26日流動性の低い週明け月曜日に起こったフラッシュクラッシュがありますね。
私の体験談として現在の状況に似ている2018年の例を出すと、国内の証券会社ではスプレッドが異常なくらい広がり買いと売りどちらで参加しても大きなマイナスからのスタートになったりしました。国内業者はまだましで海外口座のドルトルコリラでは取引が停止し安定するまで売買が出来なくなってしまった事があります。
流動性が低下した場合は乱高下が起こりやすいとされトルコリラを買いで保有している人にとっては警戒が必要になってきます。本来なら安定提供されているスプレッドですが乱高下相場ではそれが通用しません。証券会社によっては『2円幅に広がった』などSNSの投稿で目にした事もあります。このスプレッドの拡大で自分が想定していた強制ロスカットにタッチしてしまう危険性もあります。
週明け月曜日から規制をかけていた欧州メガバンクの取引は再開されましたが、言ってしまえば金融市場の禁じ手を使った訳ですからトルコは何らかのペナルティを科される可能性もあり得る事を頭に入れておいた方が良さそうです。
トルコ当局の今回の措置でトルコリラが下落に歯止めが掛かれば良いのですが、取引規制による流動性低下やその副作用に相場が混乱しないか今後の動きに注目ですね。
スワップ協定に期待したい
トルコリラ円は短期間で約3%の下落が進行している状況の中、上でも書いたようにトルコは通貨の取引規制で策を講じました。
しかし、現実的にこの措置は延命に過ぎず具体的な解決策にはならないと考えています。2018年の緊急利上げは即効性がありましたが、今の新型コロナによるトルコ国内企業へのダメージを考えると厳しいものがあります。金利を引き上げれば国内の企業への負担は大きくなるので現段階ではやりづらいし、暴動なども起こりかねません。
やはり最終的にはIMFなど外部の力を借りないとトルコだけでは立ち直るどころかデフォルトの危険性が高まると思います。ですがトルコのエルドアン大統領はIMFを毛嫌いしていますので、今の政権が続く限りは支援を受けるのは難しいでしょう。
この苦しい局面に立たされたトルコが次の策としてスワップ協定があります。FXなんかで使うスワップとは若干ニュアンス違いますので気になる方はこちらを参考にしてください。
現在トルコのアルバイラク財務大臣がアメリカを始め主要国に交渉しているようですが、トルコはロシアから購入したS400(ミサイル防衛システム)の問題でアメリカと関係がギクシャクしています。
新型コロナの問題が大きくなる前は、このS400問題関連で制裁対象になっていますのでこの問題が進展しない限りはスワップ協定も難しいと感じています。
S400の稼働を延期するとかチラチラとアメリカにすり寄る姿勢は見えるものの、そうなってくればロシアの目も気になります。欧州各国ともS400や難民問題などでトルコは強硬姿勢を取っていましたので、政治的な遺恨は抱えたままです。
もうトルコリラの下落を止めるにはスワップ協定の交渉が上手くいく事を願うしかありません。なんとか上手くいっていくれよ!
ポジション
5月の入金額は3万円にしました。思ったより保有している通貨の下落が激しく、これからの円高リスクに備えた形です。含み損は最悪時よりは回復していますが、追加でポジションを狙うにはもう少し様子を見たいです。
ランド円
最安値付近でのレンジが続いていますね。週明けからドル買いが強くなり多少クロス円では上昇傾向になっていますが、アフリカ地域の新型コロナは今後影響がかなり出てきそうです。ドル需要が落ち着きを見せた後の円高に注意していきたいです。
メキシコペソ円
原油先物価格がある程度上昇を見せメキシコペソの下落も落ち着くと思いましたが、思ったより上昇出来ていませんね。やっぱり他の新興国の通貨が値を戻して来ないとメキシコペソにも資金は集まりそうにありませんね。可能性は薄いですが、4.000円付近に来たら買いポジションを追加しようと考えています。そろそろメキシコペソ円の保有から1年の結果が出るので近々書いて行こうと思います。
中国人民元円
オーストラリアとの食肉輸出を禁止したとして豪ドルが大幅に下落しましたが、元自体に影響はほとんどありませんでした。システム的なエラーが生じたとの報道は豪ドルは買い戻されましたが、今後の懸念材料としてはアメリカとの問題ですね。
コロナの問題をどうしても中国に押し付けたいトランプ大統領が本腰を入れ始めたら再び円高傾向が来ると予想しているので資金に余裕を作っておきたいと思います。
トルコリラ円
最安値を更新後、一旦は上昇を見せて15円台を回復しましたが下落第2波が怖いですね。トルコリラの傾向として暴落からのショートカバー後、再び下落のパターンが毎度恒例なので警戒しています。円相場ではある程度の上昇でしたがドルトルコリラではまだまだ明確に7.000を脱出しそうなムードではありません。
瞬間的に7.000を割っていますが、対ドルでの価格が安定しない事には警戒感は継続してた方が良いかもしれません。様子見の展開が続きますが焦らずいきたいと思います。
トルコの新型コロナの状況的にはピークを見せたとしていますがこちらもまだ油断できません。初期の対応の遅れが重荷にならなければ良いのですが・・・
スワップ
前回 75581円
今回 75933円
+352円
相変わらず週間のスワップでもこれだけか・・・と思ってしまいます(;^ω^)
しかし、若干の増加は見られるので粘り腰で観察ですね。スワップは減っていますがマイナスじゃない分をポジティブに捉えます。
最後に
5月分の入金を3万円にしたので先週よりはヒヤヒヤ感は薄れました。クロス円の下落が始まってポジションや資金の増加が無くスワップ口座では相場を見つめる事しか出来ていません。塩漬けの状態には慣れっこですけど、最安値と聞くとついつい買い増ししたい欲に襲われます。
しかし、今は我慢時、今年の相場を生き残る事を最優先に考えて行動していこうと思います。
読んでくれた人ありがとうございました!次回もよろしくお願いします(^^)/
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