トルコ中銀の政策金利発表が据え置きの結果となり市場からは失望売りに押される展開でトルコリラ安が加速していますね。個人的には(思ってたよりは売られなかった)という動きでしたが、トルコがこの段階に来ても利上げに踏み切らない背景を考えるとエルドアン大統領は中銀に対して相当の圧力をかけている事が想像出来ますね。今年いっぱいは下落し続けるんじゃないかと思っているトル猫です(;´∀`)
前回は新興国通貨のリスクについて書きました。
すべての口座においてトルコリラは含み損を抱えている訳ですが、先週からの動きを見ていると傷口は更に大きくなりそうな雰囲気になって来ましたね。
まぁスワップ口座はしばらく諦めるとしてメイントレードで利益を狙っていきたいですね。
トルコリラ成長記録82
2020/8月19日~8月25日
トルコ中銀利上げ出来ず
8月20日に発表があった政策金利発表は、多くのトルコリラホルダーにとって淡い希望であったのですが、期待されていた利上げは無く現行の金利で据え置きの結果となりました。
トルコ政策金利
8.25%のまま据え置き
今回の金利発表前、緊急会合が開かれた事で市場予想は(さすがにトルコリラ安がヤバい状況だから利上げするんじゃない!?)と0.25%~0.50%の間で引き上げ予想が多い状態でしたが、見事に裏切られましたね。
前日の19日あたりからの証券会社のトルコリラポジションをチェックしていると、売り玉の減少が見られ、売りポジの解消からトルコリラ円はジリ上げの展開を見せていました。新規の買いポジはあまり変わらずにいたので、下落で利益を出していた投資家が利確に動いていたんだろうと思います。
まだ下がるだろうと思っていたのならホールドしていただろうし、利上げしない事が予想出来たならもう少し利益を伸ばそうとしていたはずです。
それを考えるとトルコリラを買いで入っていた人も売りで保有していた人も今回の発表は利上げすると判断していた事になりますね。本当にトルコは予想外の動きを見せてきます笑
今回の政策金利発表後の声明などを確認していくと
トルコ中銀声明
『5月に始まった景気回復はペースを増している』
『物資輸出の回復、商品価値の相対的な低水準、実質為替レートの水準が、来期の経常収支を支える事になる』
『パンデミックの進行状況によっては、内需・外需の不確実性は依然として大きい』
『慎重な金融スタンスの継続が必要』
『物価安定と金融安定の目標を追求するために、利用可能なあらゆる手段を引き続き活用』
『新たなデータや情報があれば、委員会のスタンスを見直す可能性があることを強調』 (越後)さん
全体的に前回の内容からの目立った変化はありませんね。
新型コロナの影響が未だに読めない展開だから、もうちょっと経済状況を見たいって感じの内容ですね。ただ輸出は好調になりそうだから安定するまで様子を見ましょう的な。金利や為替は今までのやり方で進めていき『新たなデータ』(更なる下落)があれば見直していきますよ。って捉える事も出来ますね。
トルコリラ安がもっと加速したら利上げするけど、今の水準では利上げしないよ!って事なんですかね(;´∀`)
直前に行われた会合でも、エルドアン大統領から『利上げは許さんぞ!』って釘を刺された可能性が高いですね。世界的な金融スタンスに変更していかないと、世界と競争出来ない事に気が付いてくれる事を祈るしかありませんね。
大規模ガス田発見で通貨安歯止めに期待
金利の据え置きが注目を集めているトルコですが、少しばかり希望の光が見えたかもしれません!
トルコは周辺の海で資源探査をしている事で、ギリシャを始めとする欧州連合と揉めているのですが、その資源探査に成果が出たようです。
先週末(8月21日)にエルドアン大統領は演説を行い
『大規模な天然ガス田を発見した』と発表しました!
推定埋蔵量は3200億立方メートルで歴史的大発見(トルコにとっては)としています。
トルコは資源をほとんど輸入に頼っており、原油価格などのエネルギーコストが経済的に悩みの種でありました。しかも加えて現在の通貨安でトルコではエネルギー問題は非常に大きな課題としてあったんです。
大規模なエネルギー源確保はトルコの悲願だったとも言えるかもしれませんね。
しかし、嬉しいのと同時にまたロシアとの関係悪化が心配になってきます。
トルコのガス輸入最大元はロシアでして、両国は今年(2020/1月)に【トルコストリーム】なる大規模パイプラインを開通させています。欧州向けにロシアからのガス輸入の拠点としてトルコが位置しているため、将来的にトルコがガスを輸出するとなるとロシア側から圧力がかかって来そうですね。
今回発見されたガス田の運用は2023年を目指すという事なので、まだ先の話になると思いますが、トルコとロシアのガス関係として頭に入れておいた方が良いかもしれませんね。
世界的に天然ガスの主な用途は火力発電に使われている思われるので、トルコ国民からしたら輸入コストが大幅に削減出来た分、電気料金を始め生活にかかるコストの負担が軽減されるかもしれませんね!ガス田発見は間違いなくトルコにとってはプラスに作用していくと思うので嬉しい出来事となりました。
ポジション
ワクチン関連でポジティブな報道もあり、ダウ・日経平均も好調で動いている事からクロス円は上昇を続けていますね。今の動きがアメリカ大統領選挙まで続いてくれれば良いのですが(;´∀`)
ランド円
これと言って南アフリカにはネガティブな報道は出ていませんから(一旦売り終了)感が相場を押し上げていますね。先週までジリ下げの展開で6円割れを待っていたのですが、当分その位置までは来そうにありません。
このまま上昇が続くなら直近高値の6.50付近まで一気に上げて欲しいところです。ポジション的には大分高値圏で捕まっていますので、含み損が小さくなることを祈ります。
メキシコペソ円
こちらも順調に上値を試している状況で、4.767で捕まっていたポジションが含み益になっています。この調子で行けば5円台復帰もあり得るので5円を上抜けたあたりでの利確を狙っていきます。これから過熱していくであろう大統領選で、メキシコについてトランプ大統領が発言してくるかにも注目しています。
チャート的にも底堅いイメージが出て来ているので、4.600付近で狙っていたラインを引き上げ4.700付近に来たら追加でポジを取っていきます。
中国人民元円
貿易交渉を巡る発言ではトランプ大統領から投げやり的な発言が出て来ました。今は中国に気を取られている場合では無い!という印象を受けますね。
中国は経済的に復旧が早いと言われているので、もしかしたら年内に捕まっているラインまで来る可能性はありますね。期待感を持って待ちたいと思います。
トルコリラ円
相変わらずリラ安は進行中で、ガス田の報道後は一時的に上昇したものの再度下落に押されている展開ですね。
やはり政策金利での利上げが無かった分のマイナス要素は払しょくしきれないかもしれませんね。ドルトルコリラでもこれ以上のリラ安を食い止めるかのごとく、通貨防衛っぽい動きが続いています。
新型コロナ関連の報道でもトルコは休日の外出禁止で成果を挙げているようですが、新興国は第二波の備えが十分でないと言われているため、まだまだ油断出来ない状況に変わりありません。トルコリラ安と第二波がタイミング的に重複した場合、下落のスピードは加速すると思うので警戒しておいた方が良いかもしれませんね。
スワップ
トルコリラ以外は上昇する展開になっているので、気持ち含み損が減っていますね。
前回 84876円
今回 85488円
+612円
また少しずつトルコリラのスワップが減り始め週間スワップは減少傾向にあります。
第1週から
586円、883円、737円、612円と獲得の幅が結構変わっています。トルコリラ円は今週に入ってから10円台を切り始めているので当分苦しい状況になりそうです。
最後に
8月は円高に傾くと想定していましたが、自分の想定よりは円高が進まず少し安心しました。この調子で9月を迎えてくれて、相場が乱高下しやすいと言われるアメリカ大統領選挙に円安に傾いてくれる事を個人的には願っています!
トルコもガス田関連でポジティブな報道が出て来ましたが、実用化はまだ先の話なので恩恵を受ける時まで資金管理を徹底していきます!
読んでくれた人ありがとうございました!次回もよろしくお願いします(^^)/
次の回