政策金利で上昇をする事が出来たトルコリラですが、アメリカやEUからの制裁懸念により頭打ち状態が続いていますね。これからアメリカがバイデン政権に移行するためトルコに対する緊張感がかなり高まって来ていますね。
ドル円も上げたり下げたりの繰り返しで相場が落ち着かない様子ですけど、世界中で株価の爆上げが起きていますね。新型コロナによる経済対策として政府から資金が流れ込み、その行き場が金融商品に来ているとの観測ですが、私が生を受けてからと言うもの始めて見る価格帯で株価が推移しているため驚きを隠せないトル猫です(;^ω^)
いやぁ~ホントに凄い!仮想通貨も爆上げで、これからどうなるのだろうかと少し不安感もあるくらいです。トルコリラもこれくら上昇を見せてくれたら万々歳なんですけど笑
さて、前回は今後のトルコはバイデン政権次第と書きましたが動きが本格化してきましたね。
世界中でトルコへ制裁すべきだ!との議会が始まっています。なんてこったい
まぁトルコが国際的な枠組みから外れていく方向に行ってしまった事が原因なんですけど、なんとかならないものか...
では今週のポジションやスワップを確認していきます。
トルコリラ成長記録97
2020/12月2日~12月8日
キツイ制裁がアメリカから発動される
様々な問題で世界各国と揉めているトルコですが、ついにアメリカからS400問題についての制裁が下りそうです。
S400問題についてはここで触れています。
さんざんトルコとアメリカのS400関連の話題に触れて来ましたが、簡単に説明すると旧ソ連(ロシア)を仮想敵国として設立されたNATO連合に加盟しているトルコが、そのロシアからS400と言うミサイル防衛システムを購入してしまった問題です。
EUは陸続きでロシアと接していますので、強大な軍事力を持つロシアを警戒しています。そしてロシアと軍事関連で競っていたアメリカが中心となりNATOが作られました。NATOの中でも一番予算を出しているのはもちろんアメリカです。
だからアメリカとしてはNATOに加盟している国には、自国から武器を買って欲しいのです。ほとんどの国がアメリカ製の武器なら連携も取りやすいですし、構造的に強固になります。何よりアメリカが儲かります。
ところがトルコがアメリカ製のミサイル防衛システムを買わず、ロシアからS400を購入したため防衛上、大きな問題となっている訳です。ミサイルを打ち落とすシステムですので戦闘機の迎撃にも使用される可能もある訳で、レーダーに感知されればアメリカ軍の機密情報をロシアに漏洩する事にもなると、アメリカはトルコが購入していたF35と言う戦闘機の受け渡し凍結も2019年にしています。
S400を放棄しなければ制裁を検討するとアメリカはトルコに対して何度も警告していましたが、トルコはこれを無視。アメリカ議会では、トルコに対しての制裁案が何度も出されていましたが、最終的な判断はトランプ大統領に託され(オバマ政権がトルコに対し自国のパトリオットミサイル(防衛システム)を売らなかったから、こうなったんだ!トルコは仕方なかったんだ!)とトルコを擁護。トランプ大統領のおかげで制裁もかなり軽く済んでいました。
しかし、そのトランプ大統領が選挙で敗北し政権はトルコに厳しい姿勢を示しているバイデン政権に移行します。
しかも、このタイミングでアメリカが国防権限法案でS400に対する制裁を義務付けしてきました。これには現大統領の署名、つまりまだトランプ大統領の署名が必要ですが、アメリカ国民のために政権移行をスムーズに行う用意をしていると明言しているだけに、これまで通りトルコに寛容な態度を取ってくれるのか不安感はあります。署名に関してトランプ大統領はいくつかの条件を提示しているとされていますが署名したとしたら30日以内に制裁は発動されます。先送りにしたとしてもバイデン政権に移行したら署名は確実視されています。
S400の放棄で制裁回避策が用意されているらしいですが、トルコがこれに応じるとは思えません。
そして直近の不安イベントがEU首脳会議です。今週(10日~11日)に行われます。
トルコの制裁について話し合われるほか、今後のEUとしてスタンスが決まるかもしれません。内容次第ではトルコリラが乱高下する可能性は十分にありますので警戒しておきたいですね。
トランプ政権の盾を失ったトルコはバイデン政権の矛に刺される可能性がかなり高まっています。要警戒でポジションの管理などをやっていきたいと思います。
インフレが大幅に悪化
先週トルコリラが大きく動いたのは、インフレ悪化についての指標でしたね。予想からのかい離や結果悪さから大きくトルコリラが売られる展開になりました。
トルコ11月消費者物価指数前年比
前回 11.89%
予想 12.70%
結果 14.03%
トルコ11月生産者物価指数前年比
前回 18.20%
結果 23.11%
11月に政策金利を大幅に引き上げましたが、さすがに期間的に即効性は無いようですね。
これまでが悪循環の路線を走っていただけに相当なインパクトとなりましたね。11月に本格的にインフレ改善路線を走る事になり12月以降に期待感が高まります。
指標発表後にトルコリラは大きく売られましたが、その後エルバン財務大臣が(インフレを制御するために全力を尽くす)と発言しただけに、また買い戻される展開になっています。前のアルバイラク氏とは違い、インフレ改善に向けた本気度が伺えますね。
重要な判断材料となる実質金利も
政策金利(15%)-インフレ率(14.03%)=0.97%
とプラスで推移していて実質金利面でのトルコリラ売りは落ち着きそうですね。
エルバン氏の発言からの今後利上げに向かいそうな雰囲気が出ていますので、当面は心配なさそうに感じます。
格付け会社からの見通しでも格下げは無く、このペースなら少しずつインフレ率も改善していくのではないかと考えています。
あとはトルコ経済(国内企業)が利上げに持ちこたえられるかに焦点が当たりそうですね。外交面で上手くやれれば良いのですが、どうにも制裁がついて回りそうな感じです。頑張ってくれトルコ!
ポジション
ランド円
少し高止まり感が漂うなか、底堅い動きをしている印象があります。7円台の回復には時間がかかりそうですが、タッチするチャンスはあると思っています。買い増しは検討していますが、一旦調整が来そうなので待ちます。来なければ来ないで保有しているポジションの含み損が減るので少し様子見が続きそうです。
メキシコペソ円
重かった5.20~5.25ラインが定着している印象を持っています。ジリ上げの展開が続けば良いのですが年末年始は警戒したいですね。2年前のドル円フラッシュクラッシュなどが頭をよぎり強気に攻めるには少し余裕が足りません。保有しているポジションも含み益が大きくなっているものがあり、利確してスッキリしようか迷いどころですね。
急激な円高が来ない限りは少し長めに持っていこうかなと思っています。
中国人民元円
思いのほか、上昇方向に進んでいますね。アメリカの政権に移行の期間はこの価格帯での推移が続きそうですね。スワップを加味するとプラテンしそうな感じですけど、出来ればここまで待ったのですからエントリーポイントの少し上で利確したいと考えています。
トルコリラ円
インフレ率が大幅に悪化した影響で先週は少し値動きが激しくなりましたが、中銀への期待とトルコが外交面で方向転換する期待感が買い支えとなっていますね。
ただ外交面でいきなり、方針を変えられるのか疑問が残ります。変わっていかなければ制裁面で経済の圧迫になりますし、政策金利の利上げによるトルコ国内への影響が気になります。また、新型コロナが急速に感染拡大を見せている点を考えると積極的に買いが入ってくるのは厳しい感じがします。
エルドアン政権がバイデン政権へどんな対応をしていくのか注目ですね。期待としては話し合う姿勢で向き合って欲しいところですね。
スワップ
前回 95773円
今回 96699円
+926円
年内にスワップ10万円は厳しい感じになって来ましたね(;´∀`)
期間を決めてやっている訳ではないので良いのですが、節目感って大事ですよね笑
来年には口座残高は40万に到達しそうですね。強制ロスカットにならなければの話ですけど笑
最後に
年末にかけて、なんかソワソワ感が出て来ました。トルコへの制裁が気になる事と、バイデン政権の対応が気になりますね。以前に比べてトルコリラの買いが多くなって来ているのでファンドが刈り取りに来ないか心配ですね。
読んでくれた人ありがとうございました!次回もよろしくお願いします(^^)/
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