据え置きが濃厚という予想を覆し、約2年ぶりとなる利上げを行ったトルコ中銀!
まさかの展開なり驚いているトル猫です(; ・`д・´)そこからの急落にも驚きましたがw
先週はジリ下げが続き更に史上最安値を更新していく予想をしていました。
個人的にも相場予想通りの据え置きの判断になると思っていましたが、まさかまさかのサプライズ利上げ。本当に驚きました。今回はこの利上げでトルコリラが勢いつくのかを考えていこうと思います。
トルコリラ成長記録87
2020/9月23日~9月29日
トルコ中銀まさかの利上げ
去った9月24日トルコ中銀による政策金利発表がありました。
多くのアナリストの意見や予想を探っていると「据え置きが濃厚」との見方が多く、通貨危機によるリラ安が進行してるが、エルドアン政権が利上げを許さないだろうと言われていました。
政策金利発表が近づくにつれそれを織り込む形でトルコリラ安は加速していましたが、発表ではまさかの利上げ。
結果的に2.00%の利上げとなり政策金利を10.25%としました。
サプライズ利上げだったこともあり相場も結構な反応を見せました。それまで下落の一途であったトルコリラでしたが、やっと一旦の反発を見せる事になりましたね。
発表直後は売りポジション利確と買いが集まり、トルコリラ円の方では14円台を回復しそうな勢いはありましたが、跳ね返されたチャートとなりました。
その後トルコ中銀声明を確認してみると
「インフレ期待とインフレ見通しに対するリスクを抑制するために、8月以降の引き締め措置を強化すべきであると評価」
これまでインフレの改善に動いてきたが、コロナの影響などで思うような改善が見られなかったための応急処置として今回は利上げしたとの読み方もできますね。
これまでは通貨下落に対して裏ワザ的なやり方で対応しようとした結果現在の水準までリラ安が進んでしまっていました。原因としてはこれだけが原因ではないのですが、さすがにこれ以上のリラ安は限界だと判断したのでしょうか。やっと世界的なやり方でインフレや通貨危機に挑む姿勢が見られましたね。
この利上げ措置でトルコに資金の流れが帰って来るのかは正直まだ微妙なラインですが、スタート地点に立つ準備をした感じと思っておきましょう。通貨的には利上げである程度の下落措置にはなりそうですが、利上げをするという事はトルコ国内の企業からは悲鳴が聞こえてきそうです。
ただでさえ今の世界の状況は経済に不安を抱えています。この国難をどう切り抜けていくのか熱い気持ちで見守りたいと思います。
今後の焦点は追加利上げがあるのか
サプライズ利上げで安心した人もいると思いますが、今後のトルコリラの価値がどうなっていくのか来月の政策金利発表が気になりますね。
今まで約2年に渡り段階的に金利引き下げを行ってきましたが、今回の利上げで金融緩和サイクルが終了するのか、それとも一時的な利上げで終わってしまうのかが焦点になって来そうです。
今回は2%の引き上げでしたが、次回は何%上げるのか、引き上げたとしてインフレ率が改善しないから上げるのか。
通貨安を止めるために引き上げを行うのかでトルコに流れてくる資金は大きく変わってくると考えています。
今回は利上げに踏み切ったものの依然として実質金利はマイナスで推移しています。実質金利のマイナスを打ち消すには現実的に追加であと2%の政策金利の利上げが必要です。
また不気味な事に今回の利上げに関してエルドアン大統領はまだ発言をしていません。今回がトルコ中銀総裁であるウイサル氏の独断なのか、政府が容認したのか、はっきりした事が分かっていないのです。これまでウイサル氏はエルドアン大統領に忠実であると噂されていましたが、さすがに今の状況を経済の専門家として見逃す事が出来ないと判断したのか、謎が増えますね。
トルコリラ急落の原因
政策金利面ではポジティブな報道が出たトルコですが、週明け月曜日には急落を見せまたしても史上最安値を更新しました。
急落直後はEUからの制裁やエルドアン大統領による発言でネガティブなものが出たと思っていましたが、どうやら軍事的な要因によるものだと判明しました。
内容としては、アルメニアとアゼルバイジャン間の戦闘にトルコが加担したと言う事でした。紛争地で大規模な軍事衝突が起き100人を超える死者が出たと報道されています。
トルコとしてはアゼルバイジャン側に付いており、アルメニアを非難しています。EUやロシアは停戦を支持したもののトルコはアゼルバイジャンを支持したため、リスク回避としてトルコリラは大きく売られる結果となってしまいました。
トルコ軍を派遣した訳ではなく、トルコが支援しているシリアの反対勢力から1000人近くを派遣するとの内容です。直接的ではなく間接的にアゼルバイジャンに加勢するという事で紛争をこじらせる結果になるのではないかと世界から危惧されています。
いずれにしても今回のトルコの介入でトルコリラを取り巻く環境は軍事的リスクにより悪化しています。これ以上被害が拡大してしまえば、リラ安の進行が止まるのは難しくなってしまうでしょうね。状況次第では乱高下相場となる可能性があるので要警戒の必要ありです。
ポジション
ランド円
上値の重い展開が続いていますね。これと言って南アフリカ関連のネガティブな報道は目に入りませんが、コロナの影響で落ち込んだ先行き不安で買いが入りにくい状況なのでしょうか。これまでの反発が激しかっただけに一旦休憩な感じですかね。
メキシコペソ円
メキシコは先週政策金利発表があり0.25%の利下げを行っています。チャート的にも5円を回復してから下値を探る動きが続いており、下落は鈍いものの上値も重い動きになっていますね。
狙っていたラインに来たので追加でポジションも持ちました。
案の定買ったら下がってしまいましたw
速攻で含み損を喰らっています。
個人的にはまだ上昇目線なのでしばらく様子を見つつ20PIPS幅で追加でポジを入れていく予定です。
中国人民元円
値幅的にはそれ程動きが出ていませんね。アメリカ選挙が近づき中国関連の報道が緩やかなペースになってきましたね。しばらくはこの動きが継続しそうですね。
トルコリラ円
上にも書いたように不安定状態になってしまいましたね。サプライズ利上げで喜んだのもつかの間まさかの地政学リスクが発動。アルメニアとアゼルバイジャンの衝突は全く頭に入っていなかったので(また新たな問題か…)と言う感じです。
13円台であと0.2枚程追加していく予定ではいましたが、軍事関連の急落となると少し慎重な目線で価格を追っていかなければいけませんね。
スワップ
前回 88224円
今回 88954円
+730円
若干ポジを増やした事で前回の獲得よりはスワップが増えていますが、トルコリラ円が急落した事で含み損がまた大きくなってしまっていますね(;^ω^)毎月入金をしていますが、下落のペースが速すぎて証拠金維持率も500%を切ってしまいました。
強制ロスカットにならないように意識していますが、軍事衝突のリスクが高いだけに思いもよらない動きには注意したいところです。現状落ち着きを取り戻すのを待つしかないですね。
最後に
利上げに驚いた9月となりましたが、新たに軍事関連の問題が発生。やっぱりトルコは一筋縄ではいかぬ国ですね。資金的には苦しい結末になりましたが、それよりも争い事が勃発しているのにショックを受けています。これ以上戦闘地域で被害が出ない事を祈るばかりです。
読んでくれた人ありがとうございました!次回もよろしくお願いします。
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