トル猫 FX

FXを勉強しながらデイトレやスワップをやっています!投資初心者向けの記事を書いていて、なるべく分かりやすい言葉と、シンプルにスマホでも見やすい!を目標に作っています!トレード実践をやっていて皆さんの参考にしてもらえるように頑張ります!将来的には40代でのセミリタイアを目標にしています!

トルコリラは何故下落するのか 史上最安値を更新

大きな下落を見せたトルコリラですが、どこで下落が止まるのかもう予想も困難な状況になって来ましたね。近年のトルコリラの動きを追っていると8月の暴落確率は非常に高く2020年も同じような動きになるのではないかと思っていましたが、嫌な予感は当たるもので対ドルはもちろんのこと、対円・対ユーロでもトルコリラの最安値更新中です。

先週書いた資金管理をしながら耐えるしかない状況になり、苦しい展開が続いているトル猫です(;´∀`)

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1時間程で急落する展開になってはいないものの、時間を追うごとに下落が続いており下り電車が動き出した感じがして雰囲気的にも止まる気配が見られません。

このジリジリとトルコリラ安が進行していく感がスワップ投資のキツイ部分です。

トルコリラ成長記録80

2020/8月5日~8月11日

トルコリラ最安値更新

確率的に下落する方向性で考えていましたが、最安値ラインをブレイクした後は(これどこまで下がるんだ)(何円で強制ロスカットになるんだ)と自分の資金ラインを見直しました。

これまで新型コロナの影響で数ヶ月入金額を増やして耐えて来ましたが、また同じ事をしなければならないかもしれません。直近のチャートを見てみると、一時的に下落は速度を緩めていますが、油断は出来ませんね。

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トルコリラ円史上最安値を更新

2020年5月に付けた14.590を突破し最安値を更新していますね。

14.200付近でヒゲが見えますが、値動きが激しく流動性が少ない状況なので円相場が動き出すとどちらかに一方的に走りそうな展開ですね。状況的に買いが入って来る事は考えにくいため、14円を割り込み未知の13~12円台の突入もあり得ますね。

スプレッドもかなり拡大すると思うので、1円幅で余裕を持っていないと危険かもしれませんね。

対ドルでのチャートも凄い事になっています。

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ドルトルコリラ史上最安値

対ドルでも2020年5月に記録した最安値を更新し1ドル=7.4084リラまでトルコリラ安となっています。これまでトルコ中銀が買い支えしていた防衛ラインは決壊し新たなゾーンの到来です。懸念されていた外貨準備高も、さすがに資金に限界が見えてきたようでどこまでトルコリラが売られるのか見えなくなって来ました。

トルコのエルドアン大統領は『いずれ安定すると信じている』と発言したようですが、それはいつになるのやら・・・

次は対ユーロを見てみます。

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ユーロトルコリラ史上最安値

圧倒的にトルコリラ安ですね。ユーロは他の通貨に対してもユーロ高が進んでいましたので、トルコリラはかなり売られている印象ですね。EUとの関係が上手くいっていないのでユーロに対してもトルコリラが買われる展開になるのは難しそうです。

 

何故これほど売られるのか

対主要国通貨で最安値を更新中のトルコリラですが、どうしてこんなにも値下がりが続くのかを簡単におさらいしていきましょう。

トルコリラが大きく売られる要因としては以下の事がネックになっていると思います。

 

・外貨準備の枯渇

為替介入や対外債務の返済に使われる外貨準備高ですが、減少の勢いが止まっていません。と言うよりかは加速している。2019年末の段階では約800億ドル程の残高がありましたが、今年に入って急速に減少しています。2020/7/31の時点では467億ドル。

約半分に減っているんです。これだけ減少していますので、トルコ中銀はトルコリラを買い支えする事が現実的に厳しい状況になっています。

 

トルコ中銀は6.800~7.000付近で為替介入を行い5月の中旬から7月の中旬まで、なんとかトルコリラの防衛をしていました。ところが7月後半にはその防衛ラインを突破されて、介入レベルを引き直しています。

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防衛ラインをブレイクされたトルコリラ

次々と防衛ラインがブレイクされた事で、市場は外貨準備高が枯渇間近だと判断しているんでしょうね。トルコ中銀が介入するラインを引き下げた事で、トルコリラの売り圧力が加速し、売りだ!売り!の状態です。そこで次の問題になって来るのが通貨の流動性です。

 

・トルコリラの流動性の低下

売る人は大勢いるのに買いたい人が少ない状態では、売買が上手く成立しないため流れが悪くなります。これまではトルコ中銀が介入していたおかげで、ある程度流動性は確保出来ていましたが、外貨準備高不足でそれが困難になってきました。

 

それでも何とか流動性を保つため、翌日物金利の引き上げを行いました。この翌日物金利を大雑把に説明するとFXで言うスワップが分かりやすいと思います。金融機関同士で短期的に行う通貨取引の金利的なものですね。

 

通常数%で推移している物を1000%まで引き上げトルコリラの調達コストを爆謄させトルコリラを売らせないようにしたのです。反則とも言える手段を使ってでもトルコリラが売られるのを阻止しています。トルコリラを売りポジションで保有していたら強烈なマイナススワップが発生するため新規で売り圧力をかけさせないように仕向けているんですね。

前回トルコがこの措置を実行した時は、一時的に下落に歯止めが掛かりましたがいずれ適正な水準に戻さなければやっていけないので、あくまでも時間稼ぎにしかなりません。

時間稼ぎをしている間に方針を見直す判断が出来るか、市場の期待になるんですがそれが上手い事いかないのが次の理由です。

 

・政府(エルドアン大統領)によるトルコ中銀への圧力

荒手な方法で通貨防衛を計っているトルコですが、根本的な原因として実質金利の拡大が埋まらない事にはトルコリラ安の食い止めにはなりません。

実質金利=政策金利(8.25%)-インフレ率(11.76%)で算出されます。(2020/8/11時点)

現在のトルコの実質金利は-3.51%となり、こちらもトルコリラ安を加速させている原因になります。

 

通常インフレを抑制するためには、政策金利を引き上げるのがセオリーなのですがトルコの場合特殊な状況で、それが難しい状態になっています。それはこちらで説明しています。

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 トルコにも金融のプロはいる訳で、セオリーは理解しているのですがそれを阻止しているのがエルドアン大統領なんです。宗教的な理想はあるかもしれませんが、今の現状を理解し通貨危機を乗り切らねばトルコの経済的な発展は止まってしまうかもしれません。

これだけトルコリラ安が進行して最安値を更新しているのにエルドアン大統領は『政策金利のさらなる低下を望む』と発言しています。とりあえず市場はトルコ中銀が会合を開き、緊急利上げに踏み切ると報道されていますが、エルドアン大統領を無視する形で実行出来るのか注目ですね。

 

政策金利発表は8月20日に予定されていますが、会合が開かれれば予定より早く政策金利が変わるかもしれません。と言うかやらなければ更にトルコリラ安が加速しそう。

 

・地理的リスクと外交

通貨危機や政治的な不安要素などがトルコリラ安を加速させているのですが、これと同じ速度で危機感が高まっているのが、トルコの対国関係です。

そもそもこの外交的な付き合い方が上手くいっていなかったので、ここまでトルコリラ安が進んだのではないかとも思っています。

 

地理的にトルコは重要な位置にあり、欧州と中東の間にあります。

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トルコの位置

間にある国だからこそ問題が多く、外交が難しい点もあります。欧州のほとんどがNATOに加盟しており、トルコも加盟国です。

NATOは対ソ連を想定して作られた組織ですので、アメリカも入っています。と言うよりアメリカが中心の組織です。

トルコはNATOに加盟しているのに、他の加盟国と上手くいっていません。

 

トルコがやっちまった大きな問題がロシアから武器を買ってしまったこと。

対ソ連を想定して作られた組織のメンバーが元ソ連のロシアから武器を買うとは何事ですか!?と他の加盟国からかなり叩かれています。

 

これには複雑な経緯があるのですが、アメリカはもちろんEUからも制裁を受けている状態になっています。

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ちょうど一年前くらいの話なので気になる方はこちらを見てみてください。

現在は少し状況が変わっていますが、全く引かないトルコに対して世界の風当たりが強くなってきたタイミングにはなりますね。

 

ざっくりと各通貨で史上最安値を更新したトルコリラ安の要因を書いてみましたが、これらの問題は簡単に解決する事では無いし、短期間で改善出来るようなものではありません。大方のアナリストの予想では更にトルコリラ安は加速するとの見方が多いので、どのタイミングで下落が止まるのかわかりませんね。

 

ここからは大きくなった含み損の確認をしていきます笑

 

ポジション

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ポジション

ランド円

連日下落が続いていますね。一旦下落は落ち着いて来ている雰囲気ですが、値動きが荒いため手が出しにくい展開になっています。

6円割れから狙っていきたいと思っていましたが、トルコリラ円の下落などで含み損が多くなっているので一旦見送りしておきます。

 

メキシコペソ円

こちらは新しくポジションを追加しました。

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新たに追加したメキシコペソ円

クロス円が下落基調に見えるので少し不安な展開ですが、4.55付近は堅そうに見えるので思い切って買ってみました。上手く利確ポイントまで行けたらいいんですけど、円高進行しない事を祈ります。狙っている幅は10PIPS程度を考えています。

 

中国人民元円

香港の問題が深刻化してきましたね。アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの5ヵ国が香港の議会選挙延長について『香港の安定と繁栄の根幹である民主的手続きを損なう行為だ』として共同声明を出し、中国に対して物言いが出ました。このアメリカオールスターズが世界に呼びかけるように発信したメッセージを各国はどう受け取るのでしょうか。

意外と思った点は中国と結びつきが強いオセアニア地域が声明に加わったことでしたね。貿易で関係が強い分、中国から何らかの形で仕返しが来そうではありますね。

 

トルコリラ円

度肝を抜かれる暴落とまではなりませんでしたが、下落の勢いは凄いですね。

最安値付近に来たら買いを検討していると言っていましたが、もう少し様子を見たいと思います。今月にはトルコ中銀のスタンスが見えて来そうなのでそこから買いを検討してもいいんじゃないかと思ったからです。

もし利上げをするなら買いで、据え置きならもうしばらく待ちます。

トルコリラ安が未知のゾーンに入ったので急変動には注意したいですね。

 

スワップ

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口座残高

前回 83256円

今回 84139円

+883円

 

含み損がもの凄い勢いで増加してきましたね。もしものために緊急で入金出来る用意はしておきます。トルコリラ円のスワップも25円程度で安定しているので、毎週これくらいのスワップは獲得出来そうです。

年内に4桁いけたらいいなぁ

 

最後に

トルコリラはホントに何処まで下落するのでしょうか、この水準まで来てしまったらIMFなど外部の機関に助けてもらうしかないのではと思っています。一部の報道ではトルコ通信大手のタークセルが中国開発銀行から5億ユーロ相当の融資を受けるかもしれないと書いてありましたが、これを機にトルコ企業が中国関連と関係を深めていけば、だんだん中国寄りの姿勢になるのかなと感じました。それはそれでいいんですけど、またアメリカ側に付き放されそうな予感がするのは私だけでしょうか。

中国・ロシア・アメリカと大国との板挟み関係でトルコが混乱しない事を祈るしかありませんね。

 

読んでくれた人ありがとうございました!次回もよろしくお願いします(^^)/

次の回

 

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