ついに最悪の事態が起きました心配されていたトルコの軍事行動がついに開始されていますね。この状況からするとトルコリラは大ピンチの状況だと判断していいと思います 。週末にかけクロス円は全体的に上昇しリスクオンの展開になっていますが、トルコリラ円には何の反応もありませんというかむしろ下落を続けている一方です。
通貨全般がリスクオンの展開なのに何故トルコリラだけが反応しないのか!?疑問を抱いた人のために説明するとトルコが取っている軍事行動が最大の要因だと私は考えています。欧州各国から批難を受けトルコは失望されている状況になりました。一連の軍事行動でトルコが嫌いになりそうなトル猫です。
軍事行動の引き金は?
トルコが軍事行動を起こす引き金になったのがシリアで駐留していたアメリカ軍の撤退だと言われています。 報道を見る限りでは発電機や大量の食料、ミネラルウォーターなどが残されている状況で相当慌てた様子でアメリカ軍は撤退を開始したと思われます。ニュースを見ていても民間人に死者が出るなどトルコがとっている行動は最悪と言っても良いほどです。シリアに住む人々も一斉に避難を始めている状況になりました。
トルコリラスワップ投資をしている私にとってトルコはとても親近感のある国でしたがこのような軍事行動を強行する姿勢は何とも好きになれませんね。このような状況でトルコリラに投資する投資家はほとんどいないと思います。そしてこの状況はトルコリラにとっても危険なものだと感じています。大暴落を起こす引き金にもなりかねないからです。
この軍事行動を強く批難しているEUからもトルコに対して何らかの処置をとらなければならないと報道されています。いわゆる制裁です。現在トルコの軍事行動は度が過ぎているので制裁の規模もトルコ経済に大打撃を与えるものになりそうです。
トルコの目的は!?
トルコがシリアに侵攻するキッカケになったのはアメリカ軍でしたね!ではトルコは何のためにシリアに侵攻を開始したのでしょうか!?
トルコはシリア北部を占領し国境線を変更しようとしていると考えられています。
大義名分ではテロ組織(トルコ側の見方)であるクルド人の掃討などと言っていますが、仲が悪いシリアとの防衛拠点として使いたいだけなのです。トルコは国内にいるクルド人武装組織と、シリアのクルド人勢力は同じだとしアメリカ軍が撤退したタイミングで侵攻を開始しています。
クルド人を見捨てたトランプ大統領
現地の民間人の話ではこの最悪の結果はトランプ大統領の裏切りだと認識しているようです。
アメリカは国際的なテロ組織であるイスラム国(IS)の掃討作戦のためにクルド人に対してアメリカ軍の武器などを供給してきました。トルコはクルド人勢力は敵とみなしているため、武器供給をしているアメリカを強く批難してきました。この事がアメリカとの関係悪化の原因の一部にもなっています。
武器を供給することでアメリカはシリア北部に潜伏するISとクルド人を戦わせてきました。クルド人の活躍は凄まじくIS戦闘員の拘束や土地の奪還など多くの功績を残しています。アメリカ軍の撤退はそのクルド人に対しての裏切りと言われてもしょうがないですね。
何故アメリカ軍は撤退するのか
アメリカ軍が駐留することである程度パワーバランスが取れていたシリア情勢ですが何故アメリカ軍は撤退することになったのでしょうか!?
これには何とも欲深いトランプ大統領がキーマンになってきます。アメリカ軍の撤退についてトランプ大統領は『クルド人は第二次世界大戦でもノルマンディーでも助けてくれなかった!』と発言しています。発言の理解に苦しみましたが、要するに【アメリカに利益が無い】からです。
アメリカは武器を供給しボランティア活動をするよりも武器を買ってくれえるトルコを優先するという事です。
大国が自国の利益だけを考え行動してしまうと悲惨な結果になりますね。もう少し良い解決策はなかったのでしょうか。この一連の流れがアメリカとトルコの水面下で交渉されていたと考えるとなんだか残念な気持ちになります。
世界のリーダーであるはずのアメリカの責任感は消えてしまったのでしょうか。
難民問題で強気に出るトルコ
シリア問題で必然的に影響を受けるのが欧州各国です。シリアからの多くの難民が予想出来るからです。
トルコは地理的にシリアと欧州の真ん中あります。画像はグーグルマップから使わせてもらいました。
難民の多くはトルコに入り欧州を目指すと考えられます。この事からトルコは欧州に対して強い態度を取ることが出来るのです。
エルドアン大統領はもしEUなどがトルコに制裁をするようであれば『難民を送り込む』と発言しています。現状からしてトルコは、シリアからの難民をせき止める役割を果たしていると言ってもいいのです。
欧州への難民流入が始まれば欧州各国の経済への打撃は相当なものだと考えられます。だからトルコは欧州などに対しても強気に出ることができるのです。
トルコリラ暴落に備える
ここまではシリア問題について簡単にまとめて来ましたが、この件でトルコリラにはどのような影響が出るのかを考えていきたいと思います。
はっきり言って今の状況からして最悪の行動を取ってしまったトルコの通貨であるトルコリラに投資をするというのはとても危険な判断だと思います。
何故ならアメリカとの関係が悪化している状況で更にEUとも関係が悪化してくると予想できるからです。トルコリラは大暴落を起こすカウントダウンが始まっていると言っても過言ではありません。
現在のトルコの状況は昨年(2018)の8月に起きたトルコショックに似ているところがあると思っています。様々な問題が外交の悪化へと繋がり、トルコリラが売りで仕掛けられる展開が多くなってきています。
今は何とか暴落というほどの下落は起こしていないのですが、投資家はシリア問題からトルコリラへの投資を控えていたり様子を見る展開が続いていると思います。クロス円の反応を見ると納得出来ると思います。時間軸は同じにしてチャート画像を並べています。
人気の通貨は円が売られている展開ですね!
高金利通貨で有名なランドやペソも上昇している状況です。全般的に円が売られているという事がわかると思います。同じく高金利通貨のトルコリラ円も上昇してもおかしくない展開ですよね。そしてトルコリラ円のチャートを見てください。
先週から爆謄しているポンドと比較する意味でも並べていますが明らかにトルコリラ円の反応だけが鈍い状況ですよね!この状況が去年(2018)の通貨危機を引き起こしたトルコショック時にとてもよく似ているのです。
この状況で巨大ヘッジファンドからの売りの仕掛けがあれば昨年と似たような動きになるのではないかと危機を感じています。
今年(2019)8月に起きたトルコリラのフラッシュクラッシュでも流動性の少ない時間帯を狙ってトルコリラの乱高下が起きています。狙われやすい状況になっていると考える事ができます。
暴落することを想定して何かしらの対策をしていかなければいけないと思っています。
狙い目を探す
最悪の状況になったらか投資家にできるということはもうトルコリラの下落を見る事しかないのでしょうか。
私は今の状況は狙い目ではないかと思っています。もし暴落が起きれば積極的にトルコリラ円を買い増していく考えです。
シリアで民間人に犠牲が出ている状況のなか。トルコリラが下がったら買いたいと言えば冷たい人間に思われるかもしれませんが私も投資家ですので、そこは別の考えでいきたいと思います。不謹慎だと思われるかもしれませんが私の考えを書いていきたいと思います。
私は先日メインのトルコリラ口座に資金をできるだけ移動しました。余剰資金で投資に使えるお金というものをほぼ全てトルコリラのスワップ積立口座に入れました。これは暴落に耐えるという資金ではなく暴落した際にトルコリラ円を買い増しするための資金です。
具体的には16円終わった際に指値注文を徐々に多くしてポジションを資金ギリギリまで保有したいと思っています。正直もうどこまで下落するか予想ができない状況となっていますが、次の暴落はトルコショック時につけた15円台が重視されると思っています。そこを抜けると10円を割る展開も本当に見えてくるかもしれません。
為替損益も狙っていく予定なのでその分のポジションも保有していく予定です。長期で保有する分と反発した時の一部利確を考えているため自分史上最大のポジションを想定しています。もちろん強制ロスカットにならない資金管理はしていきます。
投資を始めてから今が一番勝負に出ています。
最後に
最近のトルコリラは少し粘り強い動きが続いていただけにシリア問題がなんとも残念な結果に思えてなりません。そしてこの問題は長期的な問題へと発展することは間違いないと思います。
クルド人勢力も今住んでいる地域から追い出されると、また戦闘によってトルコから土地を奪う展開になると思います。補足になりますがクルド人という民族は自分たちの国土を持たない最大の民族と言われています。そしてクルド人は血を流して自分達の土地を獲得してきたため、絶対に引かない姿勢を見せています。だから一旦収束しても同じ問題が起こってくるのです。どうにか解決策が出る事を祈ります。
シリア問題が悪化して個人的に思うのですが本当にトランプ大統領は自分のことしか考えていない自国のことしか考えていないような大統領に感じてなりません。しかし、そう言う私もトランプ大統領と同じなのかもしれません。
トルコリラが下がれば買い増しをしようとしているし、自分の利益を考えています。口では心配している雰囲気を作り、自分優先の考えです。犠牲になった人の事を考えると心のモヤモヤがあります。
無関心にはならないように今後の展開を見守っていこうと思います。